2016年11月23日水曜日

2016年11月23日Prizmmy☆・プリズム☆メイツワンマンライブ





 9月に引き続き、11月のPrizmmy☆&プリズム☆メイツワンマンライブはメンバープロデュース。第1部はひな、第2部はれいな。終わってみればどれもメンバーの個性が色濃く出たライブになった。
ひなプロデュースは“Hina 's Radio Show”と告知されていたが、フタを開けてみればむしろテレビバラエティの公開収録さながらだった(その名も「ヒナナンデス!」)。ベージュのニットセットアップとベレー帽で出てきたMC HINAの立ち振る舞いはまるで若かりしころの黒柳徹子のよう。他のメンバーを悪気なくいじり(?)ながら、自分の言いたいことも差し挟んでいくスタイル。心なしか顔立ちも似ているかもしれない。アイス早食い対決はお客さんも交えた戦いとなり、客席の女子小中学生がステージに上がっていっしょにアイスを食べていたのはPrizmmy☆のライブらしい光景だった。企画メインのこの第1部はライブというよりファンミーティング的で、メンバーの関係性を楽しむものだったがバラエティ番組も出演者の関係性をインストールした上で見るものだ。
第2部は対照的。洋楽邦楽取り混ぜたヒット曲をカバーするというアナウンスはあったが、久保玲奈のプロデュースワークがそこで終わるわけはなく。J☆Dee'Zを卒業したばかりのMeikと、同じく彼女の友人のSHOTA・Tomokaが彼女のオファーで招かれ、オープニングから激しくダンス。映像もれいな自身の手になるものだったという(すべてを制作したかどうかは不明)。とりわけ、ダンス・スタイル・キッズを中心としたキッズダンス界隈の中で、多くの人が好敵手と目していたPrizmmy☆とJ☆Dee'Zの競演が(Meikはそこを離れたとはいえ)こうした形でついに実現したのにはある種の感慨を抱かざるをえない。れいなと彼女がオファーした計4人のダンスは、れいなの目指す先を示しているようでもあった。
そしてカバー曲ライブ。白眉はみれい。「赤いスイートピー」から果実姉妹による「淋しい熱帯魚」の流れでは悲鳴のような歓声さえ聞こえた。もともと歌唱力はプリズム☆メイツ一安定していたが、この2曲はそれに潜む可憐さを引き出していた。れいなはおそらくみれいの歌唱を高く評価しているのだろうし、きょう(第1部でさなのみぞおちにパンチを食らわしていた姿も含めて)振り幅が最も大きかったのはみれいだと思う。
メンバーの個性を勘案した選曲だったのは見てのとおりだが、ソロだとさらに際立つ。ひなの中森明菜とあいりのきゃりーぱみゅぱみゅは絶好球というべきセレクト。ぜひひなには全曲中森明菜のひとりベストテンをやってほしい。ところどころれいなが自分が歌いたいという理由で自信の歌唱を差し挟んでいるような気がするが、それは言うまでもなくプロデューサー特権(それがTLCと宇多田ヒカルとレディガガなので言うことがない)。
とにかく、4回のメンバープロデュースライブすべてにおいて、メンバーの意図を感じることができた。第2部の最後にひなは「2部は詰め詰めなので1部はゆるくした」と言っていたが、そうした調整が利くのもメンバーが互いを理解しているからこそ。バラバラの個性が互いを解り合い高め合うというユニット活動の理想的な現れと、4人の高いクリエイティビティを目にすることができた、得難く、かつこの4人だから得られた一連のライブだった。